当院では大学病院での手術経験を活かした日帰り手術を行います
一般的な耳鼻科外来での小手術
耳鼻咽喉科では外来で行うことができる手術がいくつかあります。
よくあるものは、のどに刺さった魚骨を取り除く、咽頭異物摘出術や、鼻腔内や耳内におもちゃなどの異物を入れてしまったときに行う、鼻内異物摘出術、外耳道異物摘出術など、急性疾患に対する手術です。
特殊な外来手術
現在のように内視鏡下耳科手術が一般的になる前、2006年頃から私の勤めていた大学病院では、耳の手術に内視鏡を取り入れ、聴力改善のための耳科手術を積極的に行ってまいりました。最先端の手術法で慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎に対する、鼓膜形成術や鼓室形成術を多数経験しております。
当院では聴力検査などの結果から、外来手術で改善する可能性のある難聴に対しては、聴力改善のために鼓膜穿孔閉鎖術や鼓膜チューブ挿入術などの日帰り手術を行いたいと思っております。なるべく身体に負担の少ない方法で、体調をおうかがいしながら手術は行います。
また、鼻茸(ポリープ)切除も対応できます。ポリープによる鼻閉でお辛い方はご相談ください。
鼓膜穿孔閉鎖術について
当院では鼓膜に小さな穴(穿孔)がある患者さんに、聞こえを良くしたり、耳だれを防止するために、鼓膜穿孔をふさぐ手術を行っています。
通常の鼓膜形成術では、耳の後ろをメスで切って、代用鼓膜として使用する側頭筋膜(側頭部についている筋肉を覆っている薄い膜です)を採取し、これを鼓膜穿孔部分に接着させるのですが、費用は3割負担の患者さんで6万円ほどかかります。入院が必要になる場合もあります。
当院で行う鼓膜穿孔閉鎖術では、鼓膜を麻酔した後、鼓膜穿孔の周りを鼓膜用の細いメスでトリミングし、筋膜の代わりにテルダーミスというシリコンシートにコラーゲンスポンジがついたものを鼓膜穿孔部分に挿入します。
手術時間は20分程度です。
外から傷は見えません。
術後、日常生活は可能ですが、強く鼻をかまない、耳の中をぬらさない、激しい運動をしない、などの注意が必要です。
術後、1週間後と約3週間後に経過をみて、コラーゲンスポンジが鼓膜と生着していればシリコンシートを除去します。
費用は3割負担の患者さんで5000円程度です。
この方法は、大きな鼓膜穿孔では手術の適応にはなりませんが、比較的小さな穿孔であれば90%ほどの成功率です。
再穿孔が生じた場合でも、繰り返し、手術を行うことができます。